出戻り令嬢は、初恋執事に愛されたい。


 お見合い会場は、高級料亭ですることが決まっている。
 だけど、この場には両親は来なくて二人だけで会うことになっていた。

 料亭の受付で名前を言うと、奥の座敷に案内された。


「……それでは私はこれで失礼致します」


 案内してくれた仲居さんが去っていき、私はお座敷に入ると男性が座っていた。だけど、シルエットが違っていて戸惑いながら声を掛ければ、彼が振り向いた。


「千、隼……?」



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