最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!
 ここまでついて来てくれただけでも心強いのに、そんなことまでしようとしてくれるとか……。
 杏くんが心配だからっていうのもあるんだろうけど、私を支えるためって言い方にドキドキしてしまう。

 どうしよう……私、自分の気持ちの変化に気づいちゃったかもしれない。

「さ、向かわせるよ」

 自分の気持ちを自覚しはじめた私の横で、柊さんはコウモリのロボットを操作してビルの方に向かわせる。
 私はハッとして柊さんのスマホ画面に意識を集中した。

 なんにせよ、今は杏くんの救出が最優先だよ!

 コウモリのロボットはまず一階の窓に近づいて行く。
 窓はロールカーテンが下げられているだけだったから、すき間から中の様子は見えた。

 一階は受付っぽい場所があって、ロビーって感じ。
 電気もついてなくて暗くて、人がいる様には見えなかった。

「いなそうだね。じゃあ二階に」

 つぶやきながら、柊さんはコウモリロボットを器用に操作する。

 二階はドラマとかでよく見るオフィスって感じの場所。
 ここも暗いし人の姿は見えない。

「ここもいない。じゃあ三階だな」

 そして、スマホ画面に三階の部屋が映ってすぐに杏くんの姿を見つけた。
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