最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!
「柊さん、ありがとうございます。これですぐに杏くんを助けに行けます」
「そうか、良かった……あ、あともう一つ」
「え?」

 柊さんはすぐにでも向かおうとした私の両手を取って向き合う。
 緊張感に満ちた、真剣な茶色い目が真っ直ぐに向けられた。

「これ以上は一緒に行けないから……だから、おまじないさせてくれないか?」
「おまじない?」

 何だろう? と思っていると柊さんの顔が近づき、額にトンッとくちびるがふれる。

「え?」

 おでこに、キスされた?
 理解して、さっと顔が熱くなる。
 でも目の前の柊さんはあくまで真剣で、ふざけたりしているわけじゃなかった。

「額へのキスは祝福。君に幸運がありますようにっておまじない……杏を……弟を頼むよ」
「っ! はい!」

 弟の心配をする彼に……少しでも私の支えになってくれようとする柊さんに、私は力強く返事をした。
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