最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!
「ははっ、まあこんな風にこいつら倒しちゃってるもんな。それはないか」

 本当に、何が楽しいのかずっと嫌な笑みを浮かべている。
 その余裕の笑み、なんか腹立つ!

「ってことはあれだけじゃあわからなかったのかな? 俺との力の差ってやつが」

 笑みを浮かべたままの梶くんがその瞬間ピリつく気配をまとった。
 それを受け止めて、私はクロちゃんを構える。

「そうだね。ちゃんと私の本当の強さ、知ってもらってからじゃないとね」
「……そういう生意気なことを言うのは可愛くないよ、のんちゃん?」

 初めてスッと笑みを消した梶くんは、言い終えると同時に動き出した。
 人間だったら見えないくらいの速さで近づいた梶くんに、私は「そこっ!」とクロちゃんを突きつける。

「おっと!」

 梶くんはすぐに反応して避けると、また楽しそうに笑う。

「武器があるからさっきよりはマシそうだね?」
「マシ、ね」

 舐めないで!

 私は突きつけたクロちゃんを体ごと前に出す。
 私の攻撃をよけられたと余裕だった梶くんは、更に追って来たクロちゃんに「くっ」と苦し気な声を出した。
 よけられたけれど、脇をかすめる。
< 112 / 127 >

この作品をシェア

pagetop