最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!
***

 先生の話も終わってあとは帰るだけとなった。
 帰り支度をしていると、こげ茶の髪をツインテールにしている元気そうな女の子が話しかけてくる。

「ねーねー、常盤くんの護衛って本当なの?」

 たしかこの子も外部生で、名前は確か……。

「うん、そうだよ。丹羽(にわ)さん」

 返事をして、名前も呼ぶ。
 さっきの自己紹介でクラスメートの名前はとりあえず覚えておいたんだ。
 杏くんのクラスメートでもあるから、護衛としては周囲の人も把握(はあく)しておかないとね!

「わ! 名前覚えててくれたの?」
「うん、さっき自己紹介してたし。クラスの人の名前は覚えたよ」

 護衛なんだから普通のことだよね、と笑顔で言うと「すごーい」とキラキラした目で称賛(しょうさん)された。
 普通のことだよって思うけれど、こんな風にほめられるとやっぱり嬉しいよね。

「そうかな? えへへ」

 ついついふにゃっと笑っちゃう。

「しかも可愛いし! 望乃ちゃんって呼んでいい? 私のことも香澄(かすみ)って呼んでくれていいから」
「うん。よろしくね、香澄ちゃん」

 早速友達が出来た。
 この学園には一か月しかいないし、ほとんど護衛のために杏くんか柊さんについてることになるからあまり一緒にはいられないけれど。
 それでもやっぱり友達が出来てうれしい。
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