最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!
「あなた、突っ立ってるだけならこれホチキスで止めてくれない?」
「あ、はい……」

 役員の女の先輩にそんな指示を出されて、拒否も出来ず手伝いをする私。

 いや、ちょっとは予想してたんだよ?
 護衛って言ってもクラスの人も信じてくれなかったし、ただそばにいるだけなんでしょ? って思われてるかもって。
 でもここまであからさまにお手伝い要員(よういん)としてしか見られていないってなると思うところはある訳で……。

「なんだ? そんな不満そうな顔をするなら出て行ってくれて構わないんだぞ? この部屋には役員しかいないんだ。護衛なんて必要ないだろ」

 副会長の男の先輩にはそんな風にハッキリきびしいことを言われる。

「いえ、お手伝いします」

 だから私はお手伝いするしかない。
 危険なんかないって先輩は言うけれど、いつ何が起こるかなんて誰にも分からない。
 何かあってからだと遅いから、柊さんから目を離すわけにはいかないんだ。

 だからって全面的に生徒会役員の先輩たちとやり合うつもりもないから、私がお手伝いをするしかない。
 不満はあるけれど、仕方ないか。
 私は周りに見えないように小さくあきらめのため息を吐いた。
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