最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!
「兄さんは常磐家の跡取りだからな。小さい頃から取り入ろうとするヤツばっかりだったんだ! お前もなんだろ!?」
「ええ!? 違うよ!?」

 まさかそんな風に思われてたなんて……。
 もしかして今まで二人の態度が悪かったのってそのせい?
 なにそれ!? えん罪だよぉ!

 なげく私は思わずうなだれた。
 すると、今まで私たちの会話をただ聞いていた紫苑くんが杏くんから離れて私のところに来る。

「ののねーちゃん、だいじょーぶ?」

 よくわからないまでも私をなぐさめようとしてくれているみたい。
 小さな体をぐっと伸ばして、私の頭をよしよしと撫でてくれた。

 ふわぁー……可愛いなぁ……。

 天使のような紫苑くんに癒されたけれど、杏くんはまだ私をにらんで「俺は信じねぇからな!」と宣言してる。
 困ったな、と思っていると、少し先の部屋のドアがカチャリと開く音がした。
 顔を出して来たのは柊さんだ。
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