最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!
 あきれながら女子の集団が離れて行くのを見ていると、柊さんの声が私に届いた。

「もういいんじゃないかな? 下りておいで」

 言われてスタッと降りてた私は服についた木の葉を払う。

「来てくれてありがとうございます。あのコウモリのロボット、もしかしてカメラとかついてるんですか?」
「へぇ、よくわかったね」

 さっき空を見上げたときに見えたのは、初めて柊さんと会ったときに彼が持っていたコウモリのロボット。
 後からあれは柊さんが作ったものだって聞いて驚いた。
 あのコウモリが飛んでいて、今柊さんが来たからもしかしたらと思って。

「たまたま偵察(ていさつ)のテストしてたら君が連れて行かれるのが見えて……。でも助けは必要なかったかな?」
「いえ、助かりましたよ? あのままだと彼女たちがいなくなるのまだ時間がかかりそうでしたし」

 ありがとうございます、とお礼を言うと複雑そうな顔をされた。

「でも大した助けにはなっていないだろう? こんなところに連れ出されたのはきっと僕のせいなのに……」
「それは違いますよ」

 自分を()める柊さんの言葉を私はしっかり否定する。

「確かに彼女たちは柊さんや杏くんに近づくなみたいなこと言ってましたけれど、私は護衛なんだから近くにいて当然なんです。仕事で近くにいるのに、変な風に考える方が間違ってます」

 当たり前すぎる私の言い分に、柊さんは目を大きく開いて何度もまばたきした。
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