最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!
「じゃあ紫苑、ちょっと望乃さんにキレイなドレス着せてあげようか?」
「え!?」
「ののねーちゃんに?」
「ああ、ドレスを着たキレイな望乃さんを見てみたくないか?」

 突然引き合いに出された私は驚きの声を上げる。

「柊さん? あの、なんでそんなことを?」

 私は護衛だし、ドレスを着てる余裕(よゆう)なんて……。

「だって望乃さん、さっきからチラチラとドレス見ていただろう? 気になってたんじゃないかなと思って」
「それは……」

 確かに気になっていたよ?
 でも、護衛任務を放り出してまで着てみたいわけじゃない。
 ここはちゃんと断らないと。
 そう思ってハッキリ伝えようとしたときだった。

「うん、やる! キレイなののねーちゃんみたい!」

 今の今までぐずっていたとは思えないほどキラキラした目で、紫苑くんが喜びの声を上げる。
 この笑顔を前に、やりませんとは言えなかった。
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