最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!
 か弱く見えたってヴァンパイア。力だって結構あるんだから!
 まさに“ばったばったとなぎ倒し”って感じで覆面男たちを一人残らず倒した私は、クロちゃんを構えて彼らに宣言した。

「私が護衛をしている限り、彼らに手出しなんかさせないんだから!」
「っち! 仕方ねぇ、引くぞ!」

 私の宣言に、一人の覆面男の指示で彼らは去って行った。
 覆面男たちの姿が見えなくなって、緊迫(きんぱく)した雰囲気もやわらぐ。
 また変な人が来ないか周囲を確認してから、私はやっと(かま)えをといた。

 一安心して柊さんたちの近くに行くと、護衛の人たちの間から紫苑くんが走り出てくる。

「ののねーちゃんすごい! かっこいい!」

 怖がっていないかなって心配したけれど、キラキラしたその目には恐怖なんて全く映っていなくて安心する。

「すごくてかっこよくて、キレイでかわいくて……とにかくののねーちゃんはすごいの!」

 紫苑くんなりの称賛(しょうさん)に私はふにゃっと表情をくずす。
< 78 / 127 >

この作品をシェア

pagetop