唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています
☆   ☆   ☆


「……雨様。雷雨(らいう)様、起きてください」


「う〜ん」


私は部屋のカーテンを勢いよく開けた。


「ぎゃあああ!!浄化されるぅぅ!!」


「雷雨様。今は夜なので安心してください」


「冗談だってわかってたし」


「そのわりにビビってたじゃないですか」


「雪璃は主人である俺をもっと敬うべき〜」


ベッドでゴロゴロしているグータラなこの人は、私が仕えているご主人様。西園寺(さいおんじ)雷雨(らいう)様。

銀髪に黒い瞳。日本人にしては珍しい髪色をしているが、それにはワケがある。


西園寺家はいくつものホテルを経営していて、高級レストランのお店も数多く出している。


ちなみに私、佐倉(さくら)雪璃(せつ)は彼の専属メイドだ。

腰まである黒髪を2つ結びにしている。瞳は青色。
これでもれっきとした日本人です。


年齢的にはお互いに高校2年生なのだが、私のご主人様は人間じゃない。そのため、活動は日が沈んだくらいから。


雷雨様の正体。それは……。
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