唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています
「俺は必ずお前を取り戻す。何があっても」


「っ」


「雪璃ちゃん、行くよ」


「はい」


「お前は俺の専属メイドだから……。俺と契約した雪璃を誰にも渡すつもりはないから!!」


「……」


振り向こうとしても、神宮くんが力強く肩を抱くので無理だった。


あぁ、どうして?なんでなの?


見えないはずなのに、今の雷雨様は全てを捨てる覚悟で私を取り戻そうとしている。嬉しい、けど駄目。貴方は西園寺家の跡取りなんだから。


その日、私は雷雨様の専属メイドではなくなった。
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