唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています
☆   ☆   ☆


「紅茶がぬるい」


「……」


「雪璃ちゃん、聞いてるの?」


「私は雷雨様のメイドです」


「いい加減、諦めたら?げんに雷雨くんはあれからキミを助けに来ない」


「それでもいいんです。私は言われた通り、神宮くんの側にいます。それだけでも十分でしょう?」


あれから数週間。

私は神宮くんの家のメイドとして雇われていた。


神宮くんの家はお城のように大きくて、西園寺家に負けないくらいのお金持ちであることがわかった。

お金に困っている様子もないのに、何故私なんかをメイドにしたんだろう?
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