唯一の血である私はご主人様から今日も愛を囁かれています

最終章(雷雨side)

〜雷雨side〜


「オヤジ。今、なんて？」


「佐倉(さくら)雪璃(せつ)のことは諦めろと言ったんだ」


「っ……ふざけんな。雪璃は俺のメイドだ！」


「佐倉の代わりはいくらでもいる。それに佐倉は自らお前の元を去った。なら、追いかける必要はない」


「雪璃がそんなことするわけねぇ！あれは神宮ってやつに脅されてんだ」


俺は雪璃が神宮弥生にさらわれた翌日、親父に雪璃を助けるように頼んでいた。


聞くところによると神宮家もかなりの護衛がいるらしく、俺一人じゃ助けられないと思ったからだ。

だが、結果はこの有様だ。親父を頼ろうとした俺が馬鹿だった。