ビターショコラ系幼なじみ彼氏の溺愛
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「まったく…。心春ってばようやく夏希くんと付き合い始めたってわけね。ハァ、うらやましすぎ…。いいなぁ、私もイケメンな幼なじみが欲しい人生だった…」
幼なじみの夏希から告白された翌日の放課後。
私、峯(みね)心春(こはる)は、教室の後ろの席で、友達の矢川(やがわ)沙奈(さな)に昨日の告白について報告をしていた。
頬杖をつきながら、1人哀愁に浸っている友人に私は苦笑いを浮かべる。
「あはは…。でもね…。私、夏希から告白されるって思ってなかったから…ちょっと嬉しかったんだ」
昨日のことを思い出し、ちょっとだけ頬が赤く染まった。
「あー、はいはい。早速、惚気けちゃって〜。でもね〜。こっちからしたらようやくって感じよ?クラスのほぼ全員があんたたち2人が付き合うのをこっそりと見守ってたんだからね?」
「…え?そうだったの…?」
まさかの事実に私が目を見開くと。
「心春ってば本当に鈍感なんだから。夏希くんも相当神経削ったろうね〜。なんだかんだ心春ってわりとモテるし、かなーり気を揉んだと思うよ?」
呆れたように私をジトッとした目で見つめる沙奈。
「鈍感って…。てか、夏希ならまだしも私モテたことないよ?告白だって昨日、夏希にされたのが人生で初めてだったのに…」
「はいはい。まぁ、そうでしょうとも。夏希くんがあんたに近づく男共を片っ端から片付けてたからね〜」