ビターショコラ系幼なじみ彼氏の溺愛
第4話*✻恋人の距離感
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ー…なんてこともあったな〜。
懐かしい思い出に私はソっと目を細める。
あの日の私は、きっと予想もしなかっただろう。
今みたいに夏希の横を"彼女"として、手を繋いで歩く自分の姿を。
「ねぇ、夏希…!せっかくだし、来週くらいどこか遊びに行こうよ」
「いいけど。心春、どっか行きたい所ある?」
「うーん…。あ!そうそう。私、観たい映画あったんだよね〜」
「了解。じゃ、後でチケット取っとくわ。どうせ心春が観たいのってあれだろ?先週公開したばっかのアクション映画」
私の提案に、夏希はフッと優しげに微笑んだ。
さすが幼なじみ。
私の好みはバッチリ把握してくれている。
「うん!それそれ。新作気になってたんだ〜」
その後も、夏希と他愛ない会話で盛り上がりっていると、いつの間にか自宅前。
もう家の前か…。
隣の家だし、部屋だって近いけど…。
なんだか少しだけ別れがたいと思っている自分がいることに気がついた。
「じゃ、心春。また明日、朝に迎えに行くからな?寝坊すんなよ?」
「…うん。わかってる!また明日ね」