ビターショコラ系幼なじみ彼氏の溺愛
内心憂鬱になりながらも、わからない部分を飛ばし他の問題に取り組んでいた。
その時。
〜♪
スマホのバイブ音が鳴り、メッセージがきたことを告げてくれる。
夏希かな?
そう思いつつ、チャットを確認すると案の定、【起きてるけど、どうかしたか?】という夏希からの返信だった。
メッセージを打ち込むのも面倒で、私はそのまま電話の発信ボタンを押す。
数秒のコール後。
「…心春?急にどうした?」
優しげな夏希の声が聞こえ、思わずドキンと心臓が高鳴った。
聞き慣れた夏希の声にトキメいてしまうあたり私ってば本当に重症かもしれない…。
「実はね、課題でわかんない所あって教えてほしいんだけど今いい?」
私は、スマホを手にベランダの方に向かい、自室の窓を開ける。
向かいの窓に夏希の姿を確認し、小さく手を振る私に夏希も気づいたらしい。
夏希もスマホを切り、窓を開けると「課題って明日提出の数学?」と尋ねてきた。
「そうそう。1つ全然わかんないのがあってね〜。教科書の20ページの問3なんだけど…。てか、ベランダ越しだと話しにくいし私、そっち行ってもいい?」