ビターショコラ系幼なじみ彼氏の溺愛

そして、夏希はというと…。

なぜか私の隣には座らず、真向かいに腰を下ろし、教科書を眺めていて。

やっぱりおかしい…。

なんだか、わざと避けられているような気がして私は内心怪訝な表情を浮かべた。

そんな私に気づいているのか、いないのか。

夏希は私が示した問題について「ここの問題は、問2と同じ公式を使うんだけど…」と説明を始めたのだったー…。





「そっか…!この計算が間違ってたのね」


ひと通り夏希の説明を聞いて「なるほど…!わかった」と私は納得する。

さすがは特待生。頭が良いのは知ってたけれど夏希ってば教えるのも上手いんだよなぁ。

そんな風に感心しつつ、やっぱり気になる机越しの微妙な距離感。


「…ねぇ。さっきから気になってたんだけど…。何で今日はそんな離れて座るの?いつもだったら隣に座るのに」


痺れを切らした私が、机に頰杖をつき夏希に問いかける。

「……あのさ、心春わかってる?昨日から心春は俺の彼女。で、俺は心春の彼氏」


「そうだね?それが隣に座らないのと関係あるの?てか、カレカノなんだったらむしろ隣に座るのが普通じゃない??」

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