ビターショコラ系幼なじみ彼氏の溺愛
「うん…。まぁ、夏希と一緒に帰る約束はしたけど…。でも、一緒に帰るのなんて前からしてたし。別に珍しくもないよ?」
あっけらかんとそう言い放つ私に、沙奈は頭を抱えて大きなため息を溢す。
「心春、あんたって子は…。これから先が思いやられるっていうか…。うーん…ま、でもここからは私がとやかく言うことでもないわよね。というわけで、後は夏希くんにまかせるわ。ね、夏希くん?」
私の背後に視線を移し、彼女はフッと不敵に微笑んだ。
すると。
「…沙奈ちゃん、いつもうちの心春が迷惑かけてゴメン…。まぁ、頑張るよ」
聞き覚えのある声に私は、思わず後ろを振り返る。
「あれ夏希…いたの?」
「ハァ…。心春を迎えに来たんだろ。ほら、荷物かして。さっさと帰るぞ。じゃ、沙奈ちゃん。また明日ね」
私の机の上に置かれた鞄をサッと持ち上げ、声をかけてきた彼こそ、先程から話題にあがっていた私の幼なじみの斉田(さいだ)夏希(なつき)。
そして、昨日から私の彼氏だ。