ビターショコラ系幼なじみ彼氏の溺愛


「心春は俺と手、繋ぎたくない?」

「…っ」

耳元で囁く夏希に、ドキドキと心臓が早鐘を打つ。

私だって、夏希と手を繋ぎたくないわけじゃない。

でも、こんな風にスキンシップすることに慣れていないんだもん…!

結局、気恥ずかしさが勝ってしまい、言葉に詰まった私は、返事の代わりに繋いでいる手にキュッと力を込めてみた。

ピクッ。

まさか私が手を握り返してくるとは思わなかったのか、夏希が一瞬、驚いたように目を丸くする。


「…ったく、人の気も知らないで」


ポツリと、ため息交じりにそう呟くと、今度はギュッと私の身体を抱きしめてきた。


壊れ物でも扱うかのように優しく私の身体を抱きしめる夏希。

私もそんなヤツに応えるように、おそるおそる背中に手を回してみる。


なんだか夏希の腕の中、落ち着くな…。


そう感じて、思わず自ら夏希の胸にすり寄った時ー…。


トサッ。


急に私から身体を離した夏希は、優しく私の身体をカーペットが敷いてある床に押し倒してきて。


ん、あれ…?


突然の出来事に目をパチパチさせて状況把握に努める私に、ゆっくりと顔を近づけてきた。

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