ビターショコラ系幼なじみ彼氏の溺愛

「ちょ、ちょっとタイム…!ま、待って」

慌てた私は夏希の身体を手で押し戻しつつ、ストップをかける。

さすがに鈍恋愛経験皆無な私でも、夏希が今、しようとしていることは理解できた。

「…は?何?」

途中で止められて、若干不機嫌そうな夏希はジッと私を見つめてくる。

「あ、あのね。まだ昨日付き合ったばっかで、こういうのは早いって思うし。すでに色々私の中のキャパオーバーっていうか…」

最後の方はどんどん声が小さくなってしまったが、なんとか自分の思っていることを私なりに懸命に伝えた。

「ふーん?で、心春が言う"こういうの"って何?」

「…!!」

ニコッとなんとも素敵な笑顔で夏希は、私に問いかけてくる。

絶対、私が言わんとすることもわかってるくせに、聞いてくるあたりたちが悪い。

楽しそうに私の返答を待つ彼の姿を見て、これは答えるまで解放してもらえそうにないことを悟った。


「心春?」


「〜…っ!だから、それは…その」


うまい返しが見つからず、口ごもる私の隙をついて。


チュッ。


夏希は、私の唇に軽いキスを落とす。

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