星が代わりに泣いてくれるから
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ぴこんと鳴った通知音は今日は遅くなる、と夫のレンから連絡が入ったためだった。
スマホの画面をスライドして、わかったとだけ返しスタンプは送らないでおいた。
今日は、じゃなくて、今日、もである。
スーパーのレジのアルバイトから帰って急いで作ったのはビーフシチューに、美味しいよと評判のお店で買ったフランスパンに、温玉を乗せたサラダ。たことジャガイモのガーリックコンソメ炒め。
これでも豪華にした方だった。毎年買ってきてくれていた花束はいつの間にかなくなっていたけれど、去年までの結婚記念日は覚えていたはずだった。ごめんの一言もなく、とうとう結婚記念日は普通の日になってしまった。
結婚して五年経てば、そりゃあ普通のおばさん、おじさんか。
自分の分だけおかずを皿によそって、テレビをつける。ニュース番組がいつも通り好きかっていう。
少子化に伴う今後の日本、と名づけながら政治のせいではなく子どもをもたない家庭のせいとまとめあげられていた。
評論家はそれぞれで白熱したバトルを見せつけてくるが、解決するというより愚痴の熱量が強くて白けてしまう。
そのあと、本日は流星群が各地で見れるかもしれないというニュースに切り替わった。何も考えなくてもいいバラエティ番組にチャンネルを変えて溜息を吐いた。
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