星が代わりに泣いてくれるから
3
あてもなくぷらぷらと運転するのは何年ぶりだろう。
その時はレンタカーを借りて、観光地でもないところのパン屋とか雑貨屋にはいって買い物するのが好きだった。
まるで学生の頃に還ったような気分で運転をする。どんどん時間が経つにつれて、車通りもなくなって静かになる。都会から少しでたところでも、星が綺麗に見えた。
そういえば、と今日見たニュースで流星群が見れるなんて言ってなかっただろうか。車を道路の脇にとめて、携帯で調べた。
たしかに今日流星群がたくさん見えるらしい。夜十一時から十二時頃だそうだ。それだったら、と隣の県の国立展望台を調べる。
運のいいことに無料開放しているという。そこだったら開けて綺麗に見えるんじゃなかろうか。カーナビをセットし、目的地到着が一時間後に設定された。
星に願いを、というラジオの企画は今日見れるペルセウス流星群にちなんでのものだった。好きなアーティストのプレイリストに飽きると、私はラジオをつけるのは昔からの癖である。
声が聞き取りやすい女性のラジオパーソナリティの二人はきっと同い年くらいだろうか。変にかわいい声を作っていたりはせずにどっしりと構えたような力強さを感じた声だった。