星が代わりに泣いてくれるから
「まあ決着ついたんだけどね。だから今こうして話そうと思って」
「…そうなんだ」
「そうそう。なんかよくある会社の部下?その部下も知っててまあ不倫してたわけ。思いっきり強請って示談になったんだけど。旦那は頭床にこすり付けて謝ってきたけどその頭ふんずけてやったよ。誘われるままに酔った勢いでやってしまった。流されるままだった申し訳ないって。しるか、つー話だよね。サルはサルなりに頭使えやって思ったんだよね。今お腹に子どもいるしいい加減にしろって思って」
「妊娠、してたんだ」
彼女が今妊娠しているなら、二人目だ。
「そうなの。まだ性別もわかんないけどね。妊娠期間中の不倫ってよくあるらしくて」
彼女の声はどんどん遠くなっていくような気がした。
「なんでわかったの」
「あぁ…最初は会社から帰ってくるのが遅くなってきて。ちょいちょい変だったのよ。で、携帯見て発覚って感じ。一度なら勢いだろうけど、何度か関係持っている時点で素面なのにね」