星が代わりに泣いてくれるから



そこからは証拠を押さえ、冷静に淡々と処理を自ら行ったらしい。法テラスにも相談をしながら。

話しをしながらその時を思い出しているのか怒りが声色に滲んでいる。彼女の中で決着がついているからか、彼女は胃の底に溜まったヘドロを吐き出したいようだった。

私はうん、とかあぁとか頷きながらも彼女に悪いが別のことを考えていた。

今日のご飯は先に食べておいてよかったのだろうか、とか月曜日の仕事の出勤時間はいつも通りだっけといった取り留めのないことである。


「セリカは今旦那とうまくいってる?」
「え?」


一通り話終わってこともなげにミクちゃんは聞いた。吐き出しが終わったのだろう。
私はやや間を作ってしまったことに後悔しながら「いつもと一緒だよ」と伝えた。

帰ってきてから二、三言しか話さずお互い背を向けあって眠るだけ。

たまに買い物は行くけれど、おでかけと呼べるようなものはここ数か月行っていない。

これも子どもがいたら変わったのか、私には分からない。
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