17歳の秋、君と過ごした1泊2日。
ーーードンッ
肩に重い衝撃が走り、身体が前のめりになる。
「わっ、」
あ、これ倒れるやつだ。
そう思った瞬間。
「みゆ!」
優くんの左手がわたしの右手をギュッと握る。
そのまま強く引かれて、気づいた時には優くんの胸の中へ。
倒れて...ない?
というか抱きしめられてる?
優くんから香るバニラに鼓動が速くなる。
「みゆ?大丈夫?」
耳元でささやく声。
「んっ...ちょっと、」
息がかかってくすぐったい。
わたしは左手で優くんの胸を押し返し、慌てて身体を離した。
「ありがと...大丈夫、だから。行こ」
すると、ニヤッと笑った優くんが左手にギュッと力を入れる。
ん?
わたしの右手にそれが伝わるということは。
自分の手に視線を落とすと、繋がれたままのわたしと優くんの手。
...え!?
「じゃ、行こーか」
いやいやいやいや!?
「っ、ちょっと優くん、離し」
「やだ。てか桜ちゃんといーんちょー、もうあんなとこまで行ってるじゃん。みゆ急ぐよ」
そう言って手を繋いだまま歩き出す優くん。
「えぇぇ、嘘でしょ...」
仕方がないから、歩きながらどうにか手を解こうと試行錯誤してみるけど。
マジかこれ。
ぜんっぜん解けない。
優くんのスっと伸びた綺麗な指がしっかりと絡まっている。
男の子らしい大きな手、触れている腕。
さっきよりも近いその距離にわたしの心臓は高鳴るばかり。
こんなの意識しない方が無理だよ...。
ドキドキが止まらない。
でもきっとこんなにドキドキしているのはわたしだけなんだろうな。
高鳴る心臓とは裏腹に、わたしの頭の中では色んな憶測が飛び交う。
優くん、他の女の子と手繋いだことあるのかな。
ーーーなんか嫌だな。
ヤキモチを妬く資格なんてないのに、胸の奥がチクッと痛む。
プレイボーイである優くんを好きになるというのはこういうこと。
でも、ちょっとくらいはドキドキしてほしい。
わたしはせいいっぱいのヤキモチを表そうと、優くんの手を少しだけ強く握った。
「...っ」
すると、わたしの反対側を向く優くん。
つまりわたしからは優くんの顔が見えなくなるわけで。
あのー、耳しか見えないんですけど。
...もう。
わたしのドキドキが手から伝わって、優くんもドキドキしちゃえばいいのに。
暖かな秋の日差しがわたし達を包み込む。
その日差しが眩しくて、わたしは優くんの耳が赤く染まっていることに気づかなかった。
肩に重い衝撃が走り、身体が前のめりになる。
「わっ、」
あ、これ倒れるやつだ。
そう思った瞬間。
「みゆ!」
優くんの左手がわたしの右手をギュッと握る。
そのまま強く引かれて、気づいた時には優くんの胸の中へ。
倒れて...ない?
というか抱きしめられてる?
優くんから香るバニラに鼓動が速くなる。
「みゆ?大丈夫?」
耳元でささやく声。
「んっ...ちょっと、」
息がかかってくすぐったい。
わたしは左手で優くんの胸を押し返し、慌てて身体を離した。
「ありがと...大丈夫、だから。行こ」
すると、ニヤッと笑った優くんが左手にギュッと力を入れる。
ん?
わたしの右手にそれが伝わるということは。
自分の手に視線を落とすと、繋がれたままのわたしと優くんの手。
...え!?
「じゃ、行こーか」
いやいやいやいや!?
「っ、ちょっと優くん、離し」
「やだ。てか桜ちゃんといーんちょー、もうあんなとこまで行ってるじゃん。みゆ急ぐよ」
そう言って手を繋いだまま歩き出す優くん。
「えぇぇ、嘘でしょ...」
仕方がないから、歩きながらどうにか手を解こうと試行錯誤してみるけど。
マジかこれ。
ぜんっぜん解けない。
優くんのスっと伸びた綺麗な指がしっかりと絡まっている。
男の子らしい大きな手、触れている腕。
さっきよりも近いその距離にわたしの心臓は高鳴るばかり。
こんなの意識しない方が無理だよ...。
ドキドキが止まらない。
でもきっとこんなにドキドキしているのはわたしだけなんだろうな。
高鳴る心臓とは裏腹に、わたしの頭の中では色んな憶測が飛び交う。
優くん、他の女の子と手繋いだことあるのかな。
ーーーなんか嫌だな。
ヤキモチを妬く資格なんてないのに、胸の奥がチクッと痛む。
プレイボーイである優くんを好きになるというのはこういうこと。
でも、ちょっとくらいはドキドキしてほしい。
わたしはせいいっぱいのヤキモチを表そうと、優くんの手を少しだけ強く握った。
「...っ」
すると、わたしの反対側を向く優くん。
つまりわたしからは優くんの顔が見えなくなるわけで。
あのー、耳しか見えないんですけど。
...もう。
わたしのドキドキが手から伝わって、優くんもドキドキしちゃえばいいのに。
暖かな秋の日差しがわたし達を包み込む。
その日差しが眩しくて、わたしは優くんの耳が赤く染まっていることに気づかなかった。