17歳の秋、君と過ごした1泊2日。
ソフトクリーム屋さんどこにあるんだろう?


わたしと優くんは、前にいる桜と委員長を目印にして歩く。


桜はわりと速い方だけど、委員長も歩くの速いんだなー。


手を引かれつつそんなことを考えていると、優くんの声がわたしの名前を呼んだ。


「みゆってさ」


ん?


「いーんちょーと仲良いの?」


...んん?


なにその質問。


優くんらしくないといいますか、思いもよらない質問にちょっと拍子抜けする。


「仲良いっていうか...去年も同じクラスだったからじゃないかなぁ?」


「ふーん」


興味なさそうな返事が返ってくる。


聞いてきたのそっちなんですけど!?


ビミョーに謎が深まったことを感じながら「なんで?」と聞き返す。


「...さっきいーんちょーと仲良さそうだった」


「えぇー?そうかなぁ」


「そーだよ、なんか見つめ合っちゃってたし」


そう言う優くんの顔が、だんだんと真顔になっていく。


あれ、この顔さっきも見た気がする。


さっきっていつだったっけ。


んーと...わたしが委員長と話してる時?


わたしの頭の中にひとつの答えが浮かぶ。


まさか、ね。


いや、うん、ないな。
さすがにそれはない。


じっと優くんを見つめてみても、やっぱり真顔のまま。


それでも歩く歩幅をわたしに合わせてくれている。


ずっと繋いだままの手、呼び捨ての名前、委員長との関係についての質問。


さっきわたしが感じた感情を、優くんも?


ひとつしかない可能性について悶々と考えながら、優くんの綺麗な横顔を見つめる。


「ねぇ優くん。もしかしてもしかすると、みたいなこと聞いてもいい?」


「なに?」と言って、優くんもわたしを見つめる。


「もしも、の話だからね?わかんないよ?違うかもしれないし」


「気になるじゃん言ってよ、なに?」


人通りが少ない道。


わたし達は立ち止まる。


「優くん、それってヤキモチだったり、しますか...?」
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