17歳の秋、君と過ごした1泊2日。
聞いちゃった。
ちょっとまって、わたし結構大胆な質問しちゃってない?
なんか恥ずかしくなってきた。
...たぶんヤキモチじゃないと思うし。
なんだか急に恥ずかしくなったわたしはもういちど口を開く。
「あ、えっとごめん今のは聞かなかったことに、」
「正解」
ーーーえ?
わたしの言葉を遮った優くんの声に耳を疑う。
「今、なんて、」
聞き返すわたしから目をそらして歩き出した優くん。
あ、ちょっと!
わたしの手を引きながら今度はゆっくりと言う。
「たぶん、それ、正解だから」
「っ、」
ねぇ優くん。
それはずるいよ。
そんなのもっと好きになっちゃうじゃん。
「ゆう、くん、」
思わず名前を呼んで立ち止まると、同じように足を止めてわたしを見つめる優くん。
ずっと聞きたかったけど聞けなかったこの質問。
女の子の間ではタブーとされている質問。
今なら聞けるかな。
わたしは優くんの目を見て口を開く。
「優くんって、その......好きなひ」
そこまで言ったわたしの言葉は、またもや最後まで言えなかった。
なぜなら。
「みゆさーん、宮野くーん!お店ありましたぁー」
という委員長の声が聞こえたから。
わたしは身体を委員長と桜の方へと向けて、届くように言う。
「わかったー!今行くー!......じゃあ行こっか」