17歳の秋、君と過ごした1泊2日。
...へ?
ちょっと!?
わたしは慌てて下に降ろす。
「優くんこれ楽しんでるでしょ...!」
「フッ、だってみゆの反応可愛いんだもん」
ーーードキッ
不意打ちの言葉に胸が高鳴る。
...いやいや「ドキッ」とかしてる場合じゃないから!
すると、女の子達の黄色い悲鳴が聞こえてきた。
「きゃー!今わたし達に手振ったよね優くん!」
「やっぱそうだよね!てゆーかわたし達も優くんと同じクラスがよかったんですけどぉ」
...視線が痛い。
そうしている間にも、女の子達とわたし達2人の距離がだんだんと近づいていく。
やばい、バレる。
わたしは咄嗟に、繋いだ手を自分の背中に隠して優くんにピッタリとくっついた。
そのまま歩いて女の子達とすれ違う。
「優くんまたね〜!」
「じゃーねー」
はぁぁ、なんとかなった...。
わたしが安心していると、聞こえてきた優くんの声。
「みゆってたまに大胆なことするよね」
女の子達が遠くに行ったことを確認してから優くんを見る。
「大胆じゃないから!しかも、さっきのは100パーセント優くんのせいだからね!」
「へぇ、みゆが怒ってるのはじめて見た」
「お、怒りますよ!もう...ドキドキしすぎて心臓がうるさい...」
心臓の音を抑えるように胸に手を当てていると、突然優くんが繋いでいる手を引っ張った。
え?
優くんは角を曲がり、細い路地裏に入る。
「ちょ、優くん!?」
わたしがそう言った瞬間、繋いでいる手を壁に押しつけられた。