17歳の秋、君と過ごした1泊2日。
「みゆちゃんそれあとふた口でいける。宮野 優も急げー、あと15分で集合だよ」


「んー」


「...ちょっといーんちょーこれ持ってて」


「この2人、なんでこんなに食べるの遅いんでしょうね」


わたし達4人は無事に合流することに成功した。


でもそこからソフトクリーム屋さんに並ぶこと1時間...。


なんとかお目当てのソフトクリームを買って、今食べているところ。


あ、やばい、よそ見してたら制服の袖についちゃった。


「...さくらぁ」


そばにいた桜に助けを求めると、桜は無言でティッシュを渡してくれる。


「本当に助かりますありがとうございます」


「わかったから早く食べて」


軽くあしらう桜に笑う3人。


時刻はまもなく16時。もうすぐ自由時間が終わる。


あ。


雑貨屋さん行ってない!


全体の集合時間まであと10分。


桜とわたしは目を合わせた。


「「...いけるでしょ!」」


ソフトクリームを食べ終えたわたし達は走って雑貨屋さんへと向かう。


桜とおそろいのヘアピンを買って、またもや速攻で走り出した。


「やばい、先生に怒られる!」


「走れー!」


修学旅行で集合時間に間に合わなくて走るだなんて、こんな青春なことある?


並んで走っている3人の姿に、自分が青春の真っ只中にいることを感じる。


忘れたくない青春だなぁ。


「お前ら急げー、バス出発するぞー!」


先生の急かす声が聞こえる。


全力で走ったわたし達は時間ギリギリで集合場所にたどり着き、なんとかバスに乗ることができたのだった。
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