17歳の秋、君と過ごした1泊2日。
いやいやいやいや、ちょっと待って。
恐るべし、ジェットコースター。
これやば...。
地面に降りたわたしの表情を見た優くんは、わたしを見つめて笑う。
「フッ、どーしたの?」
「...優くん、ちょっと座りませんか」
「ジェットコースター絶対好きじゃなかったじゃん。ひとつ覚えた。あそこのベンチ行こ」
「ありがと...」
そう言ってベンチに座る。
...いや、近!
ちょっと近すぎませんか優くん!?
ベンチに座るわたしと優くんの距離は、ほぼゼロに近い。
身体の右側が全部優くんにくっついている。
優くんがくっつけてきている、という方が正しいんだけど、そんなことはどうでも良くて。
触れているところが熱い...。
ドキドキしている心臓を落ち着かせるために、座ったままパーク内を見渡していると、ひとつのお店を発見する。
あ、あれは。
「え、ねぇ!このパークにしかないスムージー屋さんがある!あれ飲みたいです!」
一気にテンションが上がるわたしを見つめる優くん。
瞬きもせずに見つめてくる。
...ん?
優くん?
すると、優くんの右の口角が少し上がった。
「いーよ、買ってきてあげる」
「...え、ありがと!」
そう言って立ち上がり、お店へと向かう背中に慌ててお礼を言う。
あの微笑み方、絶対なにかあるな。
なにか怪しいことを考えてる時の優くんって、右の口角が上がるんだよね。
今のところ、なにも怪しいところはなさそうだけど。
そんなことを考えていると、優くんが両手にスムージーを持って帰ってきた。