17歳の秋、君と過ごした1泊2日。
「優くんありが、」


「みゆこれ何味かわかる?」


「...へっ?」


ベンチにストンと座った優くんからここで突然質問が。


...そんないきなり質問をされましても。


んー、えーっと、白色だから。


「バニラ、とか?」


「こっちは?」


...正解とか教えてくれないのね。


「それはもう絶対に抹茶でしょ?だって抹茶って書いてあるもん」


「おー、どっちも正解」


え、これなに?


わたしの疑問は深まるばかり。


なんでそんな質問をしたんだろう?


するとその瞬間、風が強く吹いて優くんの甘い香水の香りが鼻をかすめた。


ーーードキッ


あ、バニラ...。


わたしは昨日のことを思い出す。


優くんから香るバニラが甘くてドキドキしちゃって、聞かれた質問に『バニラ』と答えたことを。


「っ、優、くん」


「フッ、やっと気づいたね?みゆはバニラ、僕は抹茶だよ、はいどーぞ」


「からかわないで、」


「それはムリかな」


「えぇぇ...」


「かわいー反応する方が悪い」


わたしは何も言わずにストローに手を添えて、バニラ味のスムージーを口に含む。



「甘っ...」


『リリリリッーーーリリリリッーーー』



わたしが甘さを感じたのと同時に、優くんのスマホが鳴り響いた。
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