致し方ないので、上司お持ち帰りしました
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寝起きで回らない頭で昨日のできごとを考えていた。
探し求めていた童貞に出会えた。その相手は、イケメンエリートと噂される真白さん。
新しい恋が始まる予感がして、頭の中では陽気な恋愛ソングが流れ始めていた。
しかし、すぐに中断された。真白さんは女性が苦手。真白さんが恋愛に興味がなく、女性嫌いなら。恋が始まりたくても、始まるはずがない。
私は勝算のない恋などしないタイプだ。
せっかく童貞と出会えたのだが、恋にならないものは仕方がない。
やはり、それなりの年齢で童貞ということは、なにかしらの理由があるのだ(泉涼香の持論です)。
童貞と恋をするなど、難問すぎる。もう、恋をすることを諦めよう。
生涯独身でも暮らせるように、仕事に力を入れたほうが賢明だ。今は仕事に打ち込もうと心を入れ替えた。
外に出る予定がある日以外は、スーツではなく、カジュアルコーデで通勤していた。新たな決意を胸にした今日は、気合をいれたくて、薄グレーのスーツに身を包んだ。