致し方ないので、上司お持ち帰りしました
「ふわあー。おっきい湯舟最高でっしたー」
真白さんのお風呂は綺麗で大きい。以前のアパートのお風呂は足を延ばすことは出来ないくらい小さくて、清潔感にもかけていた。
そのせいで、元々お風呂好きだったのに、疎遠になりかけていた。綺麗なお風呂を目の当たりにして、しっかり堪能させてもらった。つい長風呂になってしまい、少し頭がふらふらする。
お風呂からの熱気で暑い洗面所から脱出して、リビングソファにぐでっと座った。
なんということだろう。初日だというのに、このありさまだ。さすがに服は着ている。ふらふらする頭でも理性は忘れなかった。濡れた身体を拭きあげて、Tシャツとパジャマのズボンを履いた。
目を瞑ると、日中の疲れもあってか、夢の世界がすぐそこまで来ていた。一歩踏み出せばすぐ夢の世界だ。
同居初日だというのに、完全にやらかしている。しかし、意識はどんどん遠のいていく。
夢の世界に、片足を突っ込んでいたのかもしれない。耳に届く音が遠くに感じる。