致し方ないので、上司お持ち帰りしました
はじめからストーカー問題が解決するまで。期間限定の同居だった。私の身の危険を心配してくれた真白さんの善意によって成り立っていた。
ストーカー問題が解決した今。同居を続ける理由がないのだ。
「そうですね。解決……ですね」
「本当、よかったよ。これで一安心だ」
「……」
真白さんの言葉を聞くのが怖かった。いつ同居解消の話が出てくるのか。怖くて耳をふさぎたくなった。
「泉さん、今日は話がしたくて、仕事切り上げてきたんだ……」
「それって、同居についての話ですか?」
「そうだ、な。こうしてストーカー問題も解決できたことだし」
胸が苦しい。痛くて、苦しくて胸が締め付けられた。
それは真白さんの話の内容が予測できてしまうからだ。
この生活がずっと続けばいいのに一ー。
いつの日からか、そう願っている自分がいた。
だけど、この生活に終わりがくるようだ。