クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
「美樹ちゃん、優ちゃん、近くに美味しいココアが飲める喫茶店があるんだけど、一緒に行かない?」
あれ?
あれれれ……?
私が誘う前に真人君が誘ってくれちゃった。
「うん。行く行く!」
私と美樹はすぐに返事した。
だって、チャンスが向こうから舞い降りてきたんだもん。
着ぐるみを片付けた翼君と私は、部屋の壁側にある小さなストーブで体を温めながら美樹たちが着替え終わるのを待った。
「くしゅん」
「大丈夫?」
「うん。大丈夫」
お風呂上りの後だったせいかな、ちょっと風邪ひいたっぽい。
けど嬉しいな……。
くしゃみ一つで優しい言葉をかけてくれるんだもん。