クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
クリスマスをそんなふうに思っている私の隣で、親友の美樹がクリスマスの曲を口ずさんでた。
「ねぇ優、今年のクリスマスはどうするの?」
「どうもしないよ」
「え~~」
素っ気ない私の反応に美樹が残念そうに声を上げた……
かと思うと、急に私の腕に腕を絡ませにやっと笑った。
美樹がこんなふうに体をくっつける時は、大抵何か裏がある。
恐る恐る美樹の上目づかいの視線に目を向けた。
「な……なに?」
「優、クリスマスは暇してるってことだよね?」
「うっ……まぁ、そういうことかな」
「じゃあ一緒にバイトしようよ!」
「バイト!?」
目を輝かせている美樹を目の前に、私は一歩後ずさりした。