クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
クリスマスイヴ
幸せ気分満開
「真っ赤なお鼻の~♪」
恋をしてると全てが楽しくなる。
クリスマス嫌いだった私は、昨日までの自分とは別人のようにクリスマスを楽しみにし、
クリスマスソングを口ずさんでいた。
毎朝寝ぼけながらしていた歯磨きや洗顔が楽しい。
自分のためにしていることなのに、翼君を想いながらしちゃってる。
翼君に見られる顔。
翼君に見られる髪。
翼君はどんな髪型が好きかな?
そんなことを考えながら身支度をした。
「お母さん、今日は学校帰りにそのままバイト行くから帰り遅くなるね」
「あら、そうなの?
優のバイト先ってオモチャ屋さんだったわよね?」
「そうだよ。こどもの国っていう小さなお店」
「こどもの国?
懐かしいわね。優が小さい頃、オモチャはいつもそのお店で買ってたのよ」
「へ~」
靴を履きながらお母さんの話を聞いてたけど
私の頭は翼君でいっぱいだった。
「行ってきまーす」
ウキウキ気分で家を出た私は、終業式のためではなく、美樹と話すために学校に行った。