クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~


冷たい風が体に沁みて、何度も身震いしながら子供たちに飴を渡した。


だけど、次第に体がポカポカとしてきて、着ぐるみを被っているせいか少し息苦しく感じるようになった。



あと少しでバイトの時間が終わる。

あと少しで翼君と話が出来る。



体の異変を感じながらも、私の頭の中は翼君で一杯で、

翼君と過ごす時間に胸を膨らませていた。





バイトの時間が終わって着ぐるみを脱いだ私は、トイレに行った翼君をストーブの前で待っていた。

その間に美樹と真人君は、幸せそうに手を繋いで二人で帰った。



美樹、すごく幸せそうだったな。

これから私も、ふふふ‥‥。


自然と笑みが零れ、幸せ気分な私。



そんな私の視界の中に、お店の床をモップで拭いてる太郎さんの姿があった。


太郎さんが私の頭にぶつけたドアが開きっぱなしの状態になってて、私はストーブを背に、そこから太郎さんの姿を見ていた。





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