クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
「嫌だよ!」
「お願い!!」
「だ~め。今年は何も起きないように家に引きこもるんだから」
「さっき真人君にバイト誘われたの!
あと二人募集してるんだって。
だから、ねっ? お願い!!」
両手を顔の前で合わせ、まるで私を神様のように拝んでいる美樹。
私は困って溜め息をついた。
真人君は隣のクラスの男の子で、美樹の片想いの人。
今年の文化祭の実行委員で知り合い好きになったんだけど、告白しないまま片想いを続行中。
美樹の恋を応援している私にとっては、協力したいところ。
決断を強いられた私は、止む終えず返事した。
「わかった。いいよ」
私の返事を聞いた途端、美樹は飛び跳ねるくらい喜んで、
「ありがと~」 って私に抱きついた。
そのあと、美樹は目を輝かせたままバイトの説明をしてくれた。