クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
私は太郎さんの苦笑いを見ようとする企みを胸の中に隠し、太郎さんに笑顔を向けた。
わらえ~。
ひきつり笑いをみせろ~!
だけど、太郎さんの一言で私の企みはすぐに払いのけられた。
「彼女なんていないよ。
そっちも大変だな。イヴなのにバイトして熱だして」
ううっ……。
痛いことを言ってくれるじゃないのよ。
苦笑いになったのは、太郎さんではなく私だった。
「別に、大変なんかじゃないですよ。
好きでバイトしてるんだし、好きな人と一緒ですから」
やだ~~
ムキになったせいで余計なことを口走っちゃったよ!!
しまった!! って思った瞬間、
太郎さんがチラッと私を見て笑みを見せた。
くやし~い!!