クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
太郎さんは、どうしてあんなこと言うの?
風邪薬を飲んでベッドに入ったけど、太郎さんの言葉が頭から離れない。
いやでも頭に浮かんできて、私の胸をズキズキと痛めた。
せっかくのクリスマスイヴなのに
せっかく翼君と出会えたのに……。
バイトをして翼君に会えたのは最高の出来事だった。
だけど、太郎さんに出会ったのは最悪な出来事。
明日になったらきっとこの思いは晴れるよね?
翼君が私を幸せにしてくれるよね?
「翼君……大好き……翼君……
大嫌いだよ……太郎さん……」
心と体の熱が冷めないまま、私は布団の中で何度も呟いた。
そして、呟いているうちに眠ってしまった。