クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
着信音
夕方、熱が下がらないままバイト先のオモチャ屋さんに一人で歩きはじめた。
美樹から真人君と買い物してから行くって電話があり、
美樹の嬉しそうな声を聞いた私も嬉しくなった。
嬉しいよ。
美樹の恋が実って……。
だけど、昨日の太郎さんの言葉が頭から離れない私は、
幸せそうな美樹を羨ましくも思った。
バイトに行けば翼君に会えるけど、クリスマスなのに一人で歩いてるんだもん。
翼君に会うまでは
クリスマスは家で過ごしたいって思ってた。
クリスマスなんて早く過ぎてしまえばいいって……。
だけど、
だけどね、
恋をしてる私は……
私にとってもクリスマスは、
やっぱり特別な日なんだ。