クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
翼君に会いたくて家を早く出た私。
翼君に会うために早く着いたのに、そこに居たのは太郎さんだった。
狭い部屋で一人壁側のパソコンに向かっている太郎さん。
私は挨拶すらせず黙って椅子に座った。
昨日の言葉の真相を聞きたい。
どうして『トナカイはやめとけ』なんて言ったのか。
だけど悔しくて聞けない。
声すらかけたくないよ。
パソコンを打つ音だけが部屋に響く中、
私は太郎さんの背中を見つめ
太郎のバカ
太郎のバカ――‥‥
心の中で何度も唱えた。