クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
自分のせいなのか、太郎さんのせいなのか、
重たい空気になっていく狭い部屋。
息苦しくなりトイレに行こうかと思った時、
私の王子様が現れた。
「優ちゃん、昨日はごめんね」
優しい微笑みで私の心を照らしてくれる翼君。
「ううん。私も用事があったから。
今日はバイトの後時間ある?」
「もちろんあるよ。また一緒に喫茶店に行こうか?」
「うん」
私は翼君の微笑みに心を奪われながら、太郎さんの存在を意識していた。
太郎さん、聞いてる?
翼君と私は離れたりなんかしないよ。
私は彼女がいない太郎さんとは違って、クリスマスは翼君と過ごすんだから。