クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
「美樹」
雑誌を見ていた美樹に声をかけると、美樹は凄い勢いで振り返った。
「優~~!」
「どっ、どうしたの?」
「緊張しまくりだよ~」
今にも泣き出しそうな美樹が、私に抱きつき頬を赤くした。
「よしよし、大丈夫だよ」
美樹の頭を撫でて声をかけた。
本当に誠君のことが好きなんだね……。
文化祭の準備期間中、美樹はいつも輝いてた。
文化祭を成功させるために真人君と一生懸命走り回って、文化祭のフィナーレでは泣いてたもんね。
嬉しさと寂しさ、両方の思いに押しつぶされそうになりながら。
「美樹、今度こそ絶対真人君に告白しよう!」
「うん」
私は冷たくなってる美樹の手を握り、美樹の返事に大きく頷いた。
商業科の私達は、春に卒業したらそれぞれ就職する。
就職してしたら、もうこんなふうに近くで応援することも出来なくなる。
卒業する前に、絶対美樹の恋を実らせたい!!