クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~
勇気を振り絞って顔を上げた。
するとそこには
えっ……
黒鼻のトナカイ――!?
私の隣には、黒鼻のトナカイが立っていた。
どうして……?
さっきまで赤い鼻だったのに、黒の毛糸玉が鼻に付いてるの?
驚きを隠せない私は、さっきまで見ることが出来なかった翼君のトナカイ姿をまじまじと見続けた。
私の視線に気づいた翼君は、なんの反応もないまま私にトナカイの顔を向けている。
翼君……?
今、私と目が合ってる??
首を傾げた私に、翼君はガッツポーズをして見せた。
何? どういう意味……?
私はわけが分からないまま、翼君と同じポーズをして見せた。