クセ強執事が嫉妬したら重すぎる溺愛に囲われました。


 私は改めて海棠くんをチラッと見た。
 自己紹介の時は無愛想で怖そうな人って印象だったけど、そんなことないのかも――?

 しばらくして席替えをしようということになり、私は思い切って海棠くんの隣に座った。


「あの、海棠くん、さっきはありがとう」

「え?」

「その、話題変えてくれて……」


 あ〜〜〜〜〜ダメだ私!
 女子校生活が長すぎて男の子と上手く話せないよ〜!


「ああ、別に」


 やっぱり海棠くんは素っ気ない。


「あ、ごめん、怒ってるわけじゃないから」

「え?」

「いや、俺よく怒ってるように見えるらしくて……怖かったらごめん」


 ちょっと気まずそうにする海棠くん。
 もしかしたら、私と同じく人見知りなのかもしれない。


「ううん、私もすごく人見知りだから」

「人見知りなのに合コン来たのか?」

「そ、そうよっ」

「意外とアクティブなんだな」


 わ、笑った……!

 海棠くんは笑うとちょっと幼くなってかわいい。
 なんか今キュンとしたかも。


「か、海棠くんこそこうゆうとこ来なさそう」

「俺は人数合わせで呼ばれただけ」

「そうなんだ」


 じゃあ別に出会いを求めてるわけじゃないのかな……?


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