あの子、溺愛されてるらしい。
噂の原因
それからもう一度中條さんに会うまでにそんなに時間は経たなかった。


2日後のことだった。帰り道にあるコンビニを通りかかった時、外から中條さんの姿が見えて私はすぐに店に入った。



「中條さん！」



飲み物売り場の前にいた中條さんに声をかけると彼が驚いたように目を見開いた。



「飲み物、私が買います！選んでください。」

「え…飲み物？」

「いつもの感謝の気持ちです。選んでください！」



少し戸惑ったみたいだったけれど中條さんは炭酸水を手に取った。



「それ私にください。」



彼から炭酸水を受け取り、自分の分の飲み物も取って私はレジに向かった。その後を中條さんがついてくる。



「…ありがとう。」

「いえ。」



買い物を済ませてコンビニの外に出た瞬間、私は自分の行動力に自分で驚いた。中條さんを見つけて気付いたら何も考えずに話しかけていた。この人はみんなが恐れる『学校のボス』なのに。


私は今、一体何をしたのか…。


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