あの子、溺愛されてるらしい。
それを聞いてほっとしたし、嬉しかった。



「俺は2人のこと応援してるんだ。最近栄斗も楽しそうにしてるし。梨央ちゃんに感謝してる。」

「…私も感謝してるんです。」



私も栄斗に会って毎日が楽しいし、考え方も少し変わったのを感じる。



「俺に?」



声がした方を見ると教室の入り口から栄斗が入って来た。



「お!栄斗もう来たのか!梨央ちゃんは俺がいたから楽しかったって!」

「何言ってんだか。」



栄斗はやれやれと首を振っている。



「梨央待たせてごめん。帰ろうか。」

「はい。乃々佳また明日ね。」

「うん。バイバイ。」

「佐野先輩もさようなら。」

「梨央ちゃんまたねー!」



学校を出て、いつものように2人で歩いていると急に栄斗が私の顔をのぞき込んだ。



「…どうしました?」

「俺に彼女がいたか気になった?」

「な、な、なんで!もしかして聞いてました?」



聞かれていたなら恥ずかしすぎる。今すぐ時間を巻き戻したい。



「ごめん。でも気になってくれたみたいで嬉しかった。」

「そういうわけでは…!」

「最近…少しずつ俺のところに来てくれてるって思ってもいい?」

「え…。」


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